眼科の正しいかかりかた
これまで眼科を受診されたことがない方も多いと思います。ここでは患者さん側・医師側双方にとってメリットになるよう「効率の良い」受診方法を書いてみます。
1.一番困っていることは何なのか?
2.その症状はいつから始まったのか?また今は更にひどくなったのか、ましになったのか?

3.これまで眼科で治療したことはあるのか
一番困っていることは何なのか?
眼球全体をすみからすみまで調べていたのでは丸1日かかってしまいます。そこで患者さんの訴えを元にポイントを絞って効率よく診察する必要があります。訴えをうまく表現していただければ、診察する前に診断できる病気もかなりあります。ところが患者さんが次のように訴えられると医師は困ってしまいます。
「目の具合が悪いんです・・・・」
これが患者さんの素直な気持ちである、ということは良く理解できるのですが医師に対して何の情報も伝わりません。少なくとも次の2つの項目の内、まずどちらにあてはまるのかをお話ししていただきたいのです。
1.「見る機能」に関することなのか?
見えにくい、ぼやける、視野が狭い、物が小さく見える、二重に見える、虫が飛んでいるように見える
2.目に「違和感」を感じるのか?
痛い、かゆい、ごろごろする、涙が出る、目がかわく、しょぼしょぼする
ある時「涙が出たようで具合悪い」と患者さんが言われました。涙に関していろいろ調べてみましたがどこも異常がないようです。ところがよくよくお話をお聞きしますと、「涙がにじんでいるように見えにくい」ということでした。結局、涙とはまったく関係のない白内障のために見えにくいということが判明しました。こういったことを避けるためにも、上記の2つの項目に分けてお話しいただけると医師はとても助かります。
また上記の「見る機能」に関する病気が疑われた場合、特殊な目薬を使用して眼底検査を行う場合があります(散瞳検査)。これを行いますと、「見えにくい、ぼやける、まぶしい」といった視力障害が当日夜まで続きます。このため、検査後に御自分で自動車や単車を運転して帰ることは危険になります。
よって「見る機能」に関する症状で来院される場合は、他の人に運転してもらうか、バス等を御利用になって来院して下さるようお願い致します。
症状はいつから始まったのか?今は更にひどくなったのか、ましになったのか?
「こうなりかけたのはちょっと前です」という答えが最も多いですが、これは曲者です。「ちょっと前にこの眼科にかかったことがあるんですが・・・」という患者さんのカルテを調べると、実は3年前のことだった、ということは時々あります。少なくとも、1時間前から、昨日から、1週間前から、先月から・・・くらいは教えていただけると参考になります。
また「昨日は痛くてたまらなかった!」と具合が悪いところは皆さん強調して訴えられますが、良くなったことはあまりお話しにならない傾向にあります。「けれども今日はかなりましになった」というお話しも治療の上でとても重要なことですので、診察を受けた時点で「良くなりつつあるのか、悪くなりつつあるのか」をぜひ教えて下さい。

これまで眼科で治療したことはあるのか?
それまで他の医療機関で治療を受けていたのに、それを隠して受診される方があります。これは患者側・医師側双方にとって診療の妨げになります。なぜなら、たいていはどの医療機関を受診しても、同じ診断になって同じ薬を使うため、結局二度手間になってしまう可能性が高いからです。どの医師も「○○の病気なら、まずAの薬を使おう。それで効果がなければBの薬を使おう」と決めたパターンがありますが、これはどの医療機関でもほとんど同じなのです。ですから最初から「よそでAの薬をもらってたがあまり改善しないが、どうであろうか?」と正直にお話しいただけると、AではなくBの薬から出発することが出来るので、薬代・時間の節約になります。
また残念ながらいくら適切な治療であっても、時間が経たないと治らない、または治る見込みのない病気もあります。これらについても以前の治療内容をお伺いすることにより適切なアドバイスをすることができますので、ぜひこれまでの経過を隠さずお話しいただけるようお願いいたします。