眼科のウソ/ホント?![]()
印は最近更新した項目です。
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これは多くの方が誤解されていることです。たくさん入れるのがお好きな方は二通りあります。まず目薬をさすと何となくすきっとして気持ちいいので何度もさしてしまうタイプ。もうひとつは、目やにや充血などが思ったほど良くならないので、早く治そうと焦って何度も入れるタイプ。でも薬というのは必ず副作用がありますので、指示された回数以上さすのは良くなるどころか悪化させてしまうことが多いのです。例えば、一般的な飲み薬は「朝昼夜食後3回」と指示されることが多いですね。これを自分勝手に1日に10回も飲む方はおられないと思います。目薬もれっきとした薬ですから内服薬と同じように考えていただき、点眼回数を守ってくださいね。
目薬を入れるのが下手くそなので、念のため4-5滴落としています。
人間の目というのはいくらパッチリと開いた目であっても、目薬の貯まるスペースはほんのわずかしかありません。目薬の瓶からはたとえ1滴でも充分過ぎる量が出ているため、まるで小さなコップにバケツで水を注ぐような状況になっています。そのためいくら上手にさしても、必ず溢れてこぼれます。「目薬はたくさん入れるほど良く効く?」に書いたように、更に何滴もさしますと完全に入れすぎ状態になりますので1滴だけにしておきましょう。
絶対これはしてはいけません!!ゴミが入って取れないときは必ず「水道水」で洗い流すようにしてください。目薬というのは「薬」です。ゴミを洗い流すための物ではありません。「たくさんいれるほど良く効く?」でも書いたように、喉にひっかかった食べ物を取るために、風邪薬を10錠ほどいっぺんに飲むようなもので、副作用ばかり出てしまいます。
「ゴミが入って取れない」と言われる患者さんの中で、目薬をさしすぎたために角膜の皮がベロリと剥がれていた・・・ということは日常茶飯事です。目薬をさしてなければすぐ治っていたのにねえ・・ということになってしまいますのでゴミが入ったら次のようにしてください。
1.まず水道水を出しっぱなしにしてその下で目をぱちぱちさせる
2.それでも治らなければ眼科を受診する
上記の処置の間には、一切目薬を入れてはいけませんからね。
また例えゴミが取れていても角膜の傷が治るまで「ゴロゴロ感」は解消しませんので、「ゴロゴロ」しているからまだゴミが取れていないのだ・・・とは限りませんのでご注意下さい。
目薬がしみて痛いです / もっとしみる目薬じゃないと効いた気がしない!
正反対の意見ですがどちらも多いですね。まず医療機関で処方される目薬と、薬局で市販されている目薬とでは作り方がずいぶん違います。
医療機関での目薬は、単に薬の効果が100%発揮されるように作ってあります。その結果、しみたりしみなかったりします(薬の成分による)。しみる場合には「目薬が合ってないからではないか?」と思われる方も多いようですが、関係ありません。例えば、飲み薬でも苦い物もあれば甘い物もあります。苦いからといって体に合ってない・・ということはありません。目薬も同じように考えていただき、「しみる目薬もある」と理解して下さい。もちろん「しみない」ということと薬の効き目には一切関係はありません。
これに対して市販の目薬は、わざとしみるように作ってある物が多いようです。かつて織田裕二が「きた〜!!」と叫んでいたテレビ広告がありましたが、実際に薬として効く成分よりも「しみる」感じを演出する成分を主に配合してあります。どちらかといえば「嗜好品」のような作り方と言えましょう。
今年もかゆくなってきたので昨年もらった目薬させばいいですね?
では昨年に栓を開けたビールやジュースを今年になって飲む方がいるでしょうか?飲んでもまずいでしょうし、まず腐ってると思って間違いないですよね。目薬も生(なま)ものです。開封した時点から成分の劣化が始まりますので効かなくなっています(飲んでもまずい!と同じこと)。また空気中の雑菌が必ず目薬の瓶の中に入りますので、すでにバイキンだらけの目薬になっている可能性があります(腐っている!と同じこと)。およその目安として開封後1ヶ月が限度と考えてくださいね。
昨晩、スクラブ入りの洗顔料を使ってから目が痛い気がしますが?
スクラブというのは「こする」という意味ですが、最近の若者向けの洗顔料にはクルミの破片・プラスチックの玉など大きさが0.5ミリくらいの粒々が含まれていることがあります。これは毛穴の汚れや皮膚の脂分をこすり落とすために入れてあるのですが、いくらきっちり目を閉じていても瞼の隙間から目の中に入ってしまいます。すると瞼の奥にはまりこんで目を動かしたり、瞬きすると痛くてしようがない・・・ということになります。上の瞼をひっくり返せば、99%裏側に張り付いています。ただし0.5ミリくらいの大きさなので顕微鏡を使わないと見つけにくいですね。
これさえ取り出してやればすぐに治りますが、見つけにくくて医者泣かせです。やはり「スクラブ入りの洗顔料使用禁止」が大原則です。今使っておられる方は今日から中止して下さい。
目に限らず、体の表面は無数の細胞で覆われています。これらの細胞は寿命が短く、はがれ落ちる→再生する→はがれ落ちる・・・を常に繰り返しています。このはがれ落ちた後の細胞は、皮膚なら「垢」、頭なら「フケ」、鼻なら「鼻くそ」、目は「目やに」というわけです。ですから健康であっても目やには毎日24時間生じています。ただし起きているときは瞬き(まばたき)によって自然に流れて行きますのであまり気になることはありません。寝ている間は瞬きが起こらないため、寝ている数時間の間に生じた目やにが朝になったらひっついているわけです。これはまったく生理的な現象ですので気になさらないで下さいね。
ただし昼間もずっと目やにが出て気になるようでしたら結膜炎の可能性がありますので、眼科を受診してください。
結膜炎になると目やにがたくさん出てくることが多いようです。ただし目やにだけであれば、まぶたまで腫れることはありません。目やにを取ろうとして何度もまぶたを拭いているうちにまぶたが腫れてくるのです。特に小さな子供さんまたは赤ちゃんの場合、お母さんが神経質になって一生懸命目やにを拭いておられる事が多いですね。目やには目の「垢」ですから、これがたくさん付いていても眼球には悪い影響はありません。むしろ拭くことによってまぶたが腫れ、結膜炎が治ってるのにまぶたが治らない・・という本末転倒の患者さんもでてきます。
よって「目やにが出ても拭かない、触らない」のが賢明かと思います。ただし、朝起きたときに上下のまぶたが引っ付いて開かない場合は、指でばりばりっと開けてやって下さいね。
周りの人からいつも「目が赤いよ」って言われるけど、これも結膜炎?
結膜(白目)には細い血管がたくさんあります。特に角膜(黒目)に対して3時と9時の方向、すなわち水平方向には血管が多いんです(右図)。年齢が上がるにつれてここの血管が目立つようになってきますが、生理的なものですので心配は御無用です。
治療が必要かどうかは次の2点で判断してください。
* 「目が赤い」だけであり、痛い・かゆい・多量の目やに等の症状がない
* 図のように水平方向の充血だけが目立ち、上下方向には充血が少ない
この2つが当てはまる場合、ほとんどが生理的なものであり治療は必要ないと考えてください。
「花粉症」と眼科で言われたけど、これまでアレルギーになったことがありません。
春先になって急にかゆくなったり目が赤くなったり。眼科で診てもらうと「花粉症」と言われることがあります。でも去年までそんなことはなかったのでアレルギーのはずがない、おかしいなあ・・・とお考えのあなた。そんなことはとてもよくある事なんです。もともと生まれつき花粉症の方なんていません。ある時期から急に花粉症になるのです。アレルギーというのはだんだん体の中で進行していくのですが、ある一線を越えるまでは症状が出ません。でもその一線を越えて抗原(スギ花粉など)に出会うと途端に発症しますので、一度花粉症になったら毎年発症する可能性が高いと覚悟してください(年ごとに程度の差はありますが)。
私も30才前半で、突如花粉症が発症しました。以後毎年これに悩まされていますが、便利なことが一つだけあります。その日の自分の体調で患者数のおよその予測ができることです(^^;)。
「結膜炎」という言葉は、原因がなんであれ結膜(しろめ)に炎症を起こしている状態を指します。この原因として大きく分けて2つ考えられます。ひとつは細菌やウイルスに感染して起こる結膜炎、もうひとつはアレルギーによる結膜炎です。季節によっても違いますが、結膜炎の多くはアレルギー性です。その中で花粉が原因である場合を「花粉症」と言います。よって花粉症も立派な結膜炎です。
ちなみに「結膜炎」というと何だかイメージが悪くて「人にうつるもの」と思いこんでおられる方が多いようです。ところがアレルギー性の結膜炎はうつりませんし、細菌性の結膜炎もうつりません。うつるのは特殊なウイルスによる「流行性角結膜炎(はやりめ)」くらいです。これは通常なら結膜炎全体の1%よりもずっと少なく、めったにありません。ただしたまに大流行するときがありますけどね。
私だけでなく家族も目が赤くなりましたが「はやりめ」でしょうか?
家族で何人も同時に結膜炎の方が出ると心配になりますね。この場合、2つの可能性があります。
1つめは花粉症のようなアレルギー性結膜炎の場合です。同じ家に住んでいるので、ちょうど同じ時期に家族の中で複数の方が花粉症を起こすことは珍しくありません。これはうつったわけではなく、同じ環境にいるために同じ時期に発症したと考えて下さい。
2つめは「はやりめ」です。頻度はとても低いのですが、これの症状がアレルギー性の結膜炎ととてもよく似ているので区別することは困難です。「しろめ」を綿棒でこすって「はやりめ」の原因であるウイルスを検出できるキットもあるのですが、この検査でたとえウイルスが検出されなくても「はやりめではない」と断定できないのです。またやっかいなことに「はやりめ」に対する有効な薬がなくて、自然に治癒していくのを見守ることしかできません。
そこで「はやりめ」が疑われる患者さんには次のように話しております。
「本日お渡しする目薬で1週間以内に良くなれば、アレルギー性でうつることはないでしょう。また今後ますますひどくなって1週間しても治ってないようなら、はやりめの可能性があります。現在の段階ではどちらとも言えません。」
また「はやりめ」の場合、接触によって他人にうつってしまいますので手洗いを頻繁にするようにして下さい。
黒目の周囲が白くなってだんだん黒目が小さくなったように思います。
黒目の周囲に白い輪ができることがあります。この写真をご覧下さい。これは「老人環」というもので、その名の通り年齢的な老化現象です。もともと透明な黒目(角膜)に徐々に白い物質が蓄積してできたものです。程度の差はありますが、中年以降どなたもこうなってきます。上記の写真は割と程度の強い方を撮影しました。ただしこれだけはっきり白くなっていても、まったく実害がありません。単に見た目が少し気になるだけのものですから、気にせずそのまま放置して大丈夫です。治す薬はありませんし、治療する必要もありません。
突然、しろめが真っ赤になりました。周りの人から「大丈夫か?」と言われますが?
これはまず「球結膜下出血」でしょう。ここをクリックすると実際の写真を見ることが出来ます。「充血」というのは「ほわ-」と赤くなりますが、出血は「はっきりくっきり」真っ赤になります。就寝中に出血して朝起きて鏡を見たらおっとびっくり・・というパターンが最も多いようです。見た目が非常に派手ですので周囲の方はとても心配されます。でも本人さんはほとんど痛くもかゆくもないことが多いようです。
これは結膜(しろめ)の血管が突然切れて出血するのですが、原因はよくわかっていません。この出血は眼球の外側の出血ですので視力にも影響ありません。ただし出血する瞬間にぴりっとした痛みを自覚する場合もあります。出血の量は様々ですが必ず治ります。1-2週間はかかりますのでしばらく鏡を見ずに気にせずにいて下さい。また何度も繰り返し出血を来すこともありますが、何度出血しても大丈夫ですよ。
突然、しろめがブヨブヨとゼリー状に膨れてきました気持ち悪いですが?
しろめ(結膜)は、もともと薄くて半透明な膜でして、ふだんは眼球の外側にぴったり張り付いていますのでどこにあるかはあまり意識しません。ところが眼がかゆいときに掻きますと、それがきっかけとなってこの膜の下(内側)に急に水が溜まってきます。その溜まった水に押し出されて、結膜がブヨブヨとまぶたの外側へ溢れて出てくることのです。ひどい場合は、ほんの5分くらいで正面から見てくろめ(角膜)が隠れてしまうくらい膨らむことがありますので、初めて経験された場合はとても驚かれるかも知れません。
でもこれは別に大したことではなく、何も処置をしなくても時間と共に消えていきます。原因はアレルギー反応です。「ジンマシン」を経験されたことがある方ならご存じかと思いますが、ふとしたきっかけで急に皮膚に水ぶくれができてくることがあります。原理はこれとまったく同じことでして、眼に出来た「ジンマシン」と考えてください。少し異物感がありますがあまり痛くはありませんし視力にも影響しないもので、通常の場合翌日には治っていることが多いようです。「掻く」といった刺激がきっかけで発症しますので、ふだんから眼を触らないことが大切です。
うちの子供がずっと目をかいてばかりいます。もっときつい目薬下さい!
まぶたや眼球を激しくかきむしる子供さん(特に小学生くらい)がたまにおられます。確かにしろめが充血していましてすぐアレルギー性結膜炎と診断が付くことが多いのですが、中には充血無し、腫れ無し・・でまったく異常所見のなさそうな子供さんもあります。この場合に考えられることは「心因性」と言いまして、精神的なストレスや欲求不満を「掻く」ことでごまかしている可能性があります。もともと「掻く」という行為は、身体に自ら傷を付けるという一見すると理に合わない行為です。ところが「蚊にかまれる」等のかゆい時に掻いていますと気が紛れたり何となくスッキリした気分になるのは、掻くことによって爽快な気分にさせるようなホルモンが分泌されるからという説があります。
最初は確かにアレルギーのために掻いていたのが、アレルギーがおさまっても「掻く」とスッキリするため、掻くこと自体が目的になってしまい掻くことを止められなくなる子供さんがあります。この場合に必要なことはさらに強い薬なのではなく、掻かずにおれなくなるような心理状態になぜなってしまったのか?という心のケアが大事であると考えます。小児を対象としたカウンセリングを行ってもらえる医療機関へ紹介する必要があるかも知れません。
めばちこ(ものもらい)のため眼科で治療中ですが、なかなか治りません。
めばちこ(ものもらい)は、まぶたの「ニキビ」と考えて下さい。まぶたからは他の皮膚と同じように分泌物が常に出てきています。ところが何らかの理由で出口が詰まってしまうことがあり、行き場を失った分泌物がまぶたの中に貯まりそこへ細菌が感染して炎症を起こすというものです。
これに対して、まず抗生物質(細菌を殺す)と抗炎症剤(腫れを抑える)を使います。すると「めばちこ」の周囲にあった浮腫(腫れ)がひいて痛みが取れ多少大きさも小さくなります。ところが一番中心の「芯」に当たるしこり(膿)は、こういった薬ではなかなかひきません。これが小さくなるためには、人間に本来備わっている「膿を吸収していく能力」に頼るしかありませんので時間がかかるわけです。よって痛くはないけどもまぶたを触れば「しこり」が触れる状態がしばらく続きます。患者さん自身は気になってしかたないかも知れませんが、医学的には治療の必要がない状態と言えます。人によって異なりますが、しこりが消失するまで数ヶ月かかることも多いようです。
もし患者さんがどうしても「しこり」を早く治したいと考えられるのであれば、切開して膿を出すという手術が必要になります。
何度もめばちこができるのですが、汚い手で触ってるからですか?
めばちこは、まぶたにできたニキビですので特に何が原因ということはありません。もともと人間の皮膚には無数の細菌が住みついていますので、汚い手で触らなくても「バイキンだらけ」なわけです。通常は細菌よりも生体のほうが勝つのでめばちこにならずにすみますが、防御機能が低下した時にめばちこになってしまいます。
具体的には、夜更かし・徹夜等の睡眠不足が引き金になることが多いように思います。何度もめばちこが出来る方は少し生活習慣を考え直した方がよいかも知れません。
これはまったく根拠がない話です。眼鏡はかけたい時にかけ、外したい時に外してください。
ただし、眼鏡を外している間ははっきり見えませんよ(当たり前だけど、意外にわかっておられない方が多いようです)。
これもまったく関係ありませんね。ただこのように解釈されるのは理由があります。
近視は眼鏡に関係無しに勝手に進行しているのですが、眼鏡をかけていない頃だと最初から「ぼー」とした見え方ですので、多少進行しても見え方はあまり変化がないのです。ところが、いったん眼鏡を使用しますとよく見えますので、少しでも近視が進行するとすぐに「見えにくくなった」と気が付くわけです。そのため眼鏡をかけると進行しやすいと感じられている方が多いのですが、本当はかけていなくても同じだけ進行しているので、ご自身で自覚されているかどうかの違いだけなんですね。
おおむね、体の成長時期(中学生)には近視が進行しやすいようで、1年に3回も度数を交換された中学生もおられます。
眼鏡処方の手順は、まずその眼がどの程度の近視/遠視なのかを器械で測定しておよその度数を設定します。実際にその度数を入れた眼鏡を掛けていただくわけですが、必ずしもその度数がその方に合ってるとは限りません。度数がきつすぎてかけづらいこともありますので、最も見やすくまたかけやすい度数を試行錯誤で探していくわけです。そのようにして決まった度数がその方にとって最もふさわしい度数になるのですが、その度数をかけて視力がいくらになるかは個人によって大きく異なります。即ち、最もふさわしい度数をかけて1.5まで見える方もあれば、0.8までしか見えない方もあるわけでして、視力はあくまでも「結果」なのです。視力を「最終目標」として度数を決めるわけではないのです。
よって眼鏡処方の際に「視力○○に合わせて欲しい」と仰る患者さんには、「あなたにとって最もふさわしい度数を合わせてみるが果たしてそれでどのくらいの視力になるかはわからない」とお答えしています。
近視で見えにくくなってきました。眼鏡はカッコ悪いのでコンタクトにしたいと思います。
これはいけません。最初が肝心ですから必ず眼鏡をまず最初に作って下さい。「角膜内皮障害」に詳しく書きましたが、コンタクトレンズばかり使ってると角膜(くろめ)が傷んでしまいます。コンタクトを外してから寝るまでの時間が角膜にとっての唯一の休息時間ですが、眼鏡を持っていないと寝る直前までコンタクトをつけてしまいます(コンタクト外すと見えないですからね)。すると角膜の休息時間は毎日ほんの1時間くらいになってしまいますので、いろんな障害が出やすくなってしまいます。また長年コンタクトばかりで生活してきた方がいきなり眼鏡をかけようとしても、見え方がコンタクトとかなり異なるため眼鏡に慣れるまで時間がかかります。若い方はコンタクトの無茶な付け方をしても影響が出にくいのですが、40才になったときにその習慣の積み重ねがしっぺ返しとして自分自身に返ってきます。
よって、まず眼鏡に慣れてからコンタクトを考えるようにして下さい。コンタクトを始めてからでも「帰宅したら眼鏡に替える」という習慣を付け、角膜に休息を充分与えるよう心掛けてください。
コンタクトレンズの方が眼鏡に比べて近視が進みにくいそうですね
「眼鏡をかけると近視が進行するんでしょ?」に書いたとおり、近視の進行と眼鏡はまったく関係ありません。これはコンタクトレンズについても同じ事が言えますので、どちらを使うにしても近視が進むときは進むし、進まないときは進みません。
コンタクト(CL)がずれてしまいました。目の裏側までずれたらどうしよう?
それは大変!って思っておられる方が多いですが、絶対に眼球の裏側まで回ることはありません。外から見てせいぜい眼球の半分位のところまでで止まります。これは眼球の構造がその部分で袋小路のようになっているためで、落ち着いて探せば(誰かに探してもらえば)必ず見つかります。上の瞼の奥深くに入った場合には、瞼を翻転(ひっくり返す)することが必要になりますので慣れない方には難しいかもしれません。ただし、「CLが取れない」といって受診される方の半分くらいは、すでにCLがなくなってしまっている事も多いです。無い袖は振れませんから諦めて下さいね。
コンタクトのうち、特にハードレンズをつけると充血しやすいようです。もともと充血する原因としましては、
まだレンズに慣れていない初心者
レンズカーブが合わずにゴロゴロ感を感じる場合
レンズが古くなったための酸素不足
角膜(くろめ)に傷が入った場合
などがあります。これらの場合、どんな市販の目薬を使用しても原因は解決されませんので使用しないでください。また目は充血する(=血管を拡張させる)ことによって、より多くの血液を循環させて少しでも状況を良くしようとがんばっているわけです。これは目にとって必要なことと考える方が良いでしょう。
市販の目薬で「充血を取る」ことが目的のものがあります。この目薬の効く原理は、もちろん充血の原因自体を取り除くことではなく、単に血管を収縮させることによって見た目だけ治ったようにみせることです。よって点眼してから時間が経ってくると再び充血してきます。また習慣的に点眼しますと、効果が切れて来たときには点眼する前よりも更に充血がひどくなる場合があります(リバウンド現象)。目は充血することによってバランスを取ろうとしているので、原因がなくならないのに充血だけなくなると逆に目にとってつらい状態になってしまいます。こういった目薬をあまり使わないようにして下さいね。
最も大事なことは、眼科を受診してその原因を確かめ適切な治療を行うことです。
つけはずしが面倒なので、1週間連続装用のコンタクトが便利で良いですね?
角膜(くろめ)は常に酸素を呼吸しています。ふだん目を開けているときは大気中の酸素に接しているので直接酸素を取り入れることができます。では夜間はどうでしょうか?この場合、目を閉じているので角膜に接しているのは大気ではなく瞼の裏側になりますね。ここには毛細血管が多く、血管から滲み出してくる酸素を角膜が受け取っているのです。もちろん大気から直接に取り入れる方法に比べて効率がかなり落ちますので、昼間に比べて酸素不足に陥りやすい環境と言えましょう。
よって条件の悪い就寝中にさらにコンタクトを装用すると言うことは、たとえそれがどんなに優れたコンタクトであっても、角膜(くろめ)にとっては窒息に近い非常に辛い状況になっています。これまでコンタクトをつけたまま眠ってしまって翌日痛い目にあった方も多いと思いますが、角膜のためには必ずコンタクトを外して眠るようにしましょう。
使い捨てレンズが普及し始めた頃には、この「1週間連続装用」のタイプしかなくて製造メーカーの「つけたまま寝ても安全である」という宣伝を信用して当院でも処方しておりましたが、他のレンズに比べてやはりトラブルが多く発生しました。現在当院ではすでにこのタイプは処方しておりません。手間が省けて無精できる分だけ、影で角膜が泣いているレンズ・・だと思います。
うちの子供が近視ですが、眼鏡をかけさせるのは可哀想なのでこのまま様子を見たいのですが?
子供さんが学校の視力検査でひっかかり、初めて眼科に来られるお母さん方の約8割くらいはこのように考えておられます。でもよく考えて下さいね、子供さんにとって本当の幸せを。私は「眼鏡をかけさせるのが可哀想」なのではなく、「かけさせないほうが可哀想」と考えています。というのも感受性の最も強い子供時代に、きれいな景色や友達の顔がはっきり見えないなんて絶対に人生の損失だと思います。かくいう私も小学4年生から眼鏡をかけています。私は眼鏡を初めてかけたその日の夜、「夜空にはこんなに多くの星が光っていたのか!!」ととても感動したことを今でも覚えています。
またお母さんが「眼鏡は見た目がカッコ悪い」とか「○○ちゃんは眼鏡かけて可哀想にね」という態度を取っていると、いつのまにか子供さんも「眼鏡をかけるのは良くないことなんだ」と洗脳されてしまいます。心と体の健やかな発達のためにも眼鏡を毛嫌いしないで下さいね。
具体的な眼鏡をかける時期については、子供さんがテレビをご覧になっている時に目を細めておられることがあれば眼鏡を作る時期が来たと判断されたらいかがでしょうか。
皆さんが一番心配しておられることは「ボールが当たって眼鏡が壊れたときに、そのレンズの破片で目にケガをするのではないか」ということですね?私は眼科医になってすでに十数年になりますが、これまで眼鏡のガラスで実際にケガをした患者さんは、ほんの数人しか診たことがありません。またこれらの患者さんはケガといってもホンのかすり傷ですので必ず数日で治ってしまいますので、眼鏡によるケガはほとんど無視していただいて結構です。
ところがもっと怖いのは眼鏡をかけてない目に直接ボールが当たることなんです。眼鏡が壊れるくらいの衝撃がそのまま眼球に加えられたとしたらどうなると思われますか?眼球自体が裂けてしまうのです!こうなると手術が必要なのはもちろん、元の視力まで回復することさえ難しくなります。眼鏡をかけていれば、それが壊れることによって衝撃のエネルギーを吸収してくれますので、眼球に対する障害がずっと小さくなります。もしスポーツで眼鏡が壊れたとしたら、「ありがとう」と眼鏡にお礼を言って上げて下さい。
ということで、すべての球技で眼鏡(視力に関わらず)を使用されることをお勧めいたします。
もちろん使って下さい。理由は2つあります。
まず「O-157大腸菌」問題以降、塩素濃度が高めになっているプールが多いようです。この塩素は細菌を殺すために必要なものですが、人体にも影響を及ぼします。人体のうち皮膚はもともと強くできていますので、アトピー等で傷がない限りそれほど影響はありません。ところが角膜(くろめ)や結膜(しろめ)はとても弱いもので消毒液によりすぐ傷が付いてしまいます。実際にプールで泳いだ後で診察にこられた子供さんではかなりの高率で傷がみつかります(ただし自覚症状がない場合もあります)。「目薬はたくさん入れるほど良く効く」に書いたように数滴の目薬でさえ目に障害を及ぼすのですから、1時間プールで泳げば眼球を薬品の中に1時間浸しておいたことになってしまい、目薬よりはるかに障害が大きくなることが予想されます。「じゃ、泳いだ後で洗眼すればいいんでしょ?」と考える方もおられるでしょうが、そんなに甘くはありません。もともと目の表面は皮膚に比べて薬物の吸収が非常に速く(それで目薬が効くわけですね)、接触してから数分で眼球の内部に取り込まれていきます。そのため泳いだ後に洗眼してもすでに塩素は吸収されていますので焼け石に水と言えましょう。
2番目に、ゴーグルなしでは水中ではっきりと物が見えません。水中では「屈折率」といって光の進み方が空気中とずいぶん変化しますが、人間の目は空気の中で見えるように設計されているためです。そこでゴーグルによって目の前に空気の層を確保してやれば水中でもよく見えるようになります。また近視等で教室では眼鏡を使用されている方が、眼鏡を外せば不自由になるのは当たり前です。最近では度付きのゴーグルも市販されていますので、それを使用することによりプールでも良好な視力が確保され安全かつ快適に泳ぐことが出来るでしょう。
いいえ、遠視=視力良い、近視=視力悪い というのは間違いです。遠視/近視はリラックスした状態でどこにピントが合ってるのかで決まります。近く(手元など)にピントが合ってるのが近視です。遠く(テレビ、黒板、景色など)に合うのが正視です。では遠視は??答えはどこにもピントは合ってません。専門的にいうと、正視は無限遠(空の星など)にピントが合ってますが、遠視はさらにそれよりも遠くに合うことになります。これはあり得ないことなので、結局どこにも(遠くにも近くにも)ピントが合ってないと言うことになります。「遠視」は遠くを視るという漢字なので誤解されやすいのですが、本当は、「近くはもちろん遠くも見えにくい」のが遠視と理解してください。
軽い遠視であればピントを調節する機能が自動的に働いて何とか視力を保てますが、強い遠視ですと当然裸眼の視力も悪くなります。さらに遠視の方は近くほど見えにくいので、字を読んだり書いたりする作業は更につらくなります。
これに対して近視の方は、遠くは見えませんが近くにはピントが合ってますので机の上の作業にはもってこいです。よって遠視よりも近視の方がずっと快適で便利ということになります。
以上から視力が良い=正視 と考えられますが、視力が悪い場合は、近視もしくは遠視の可能性があるということになります。
そんなことはありませんよ。「近視に対する罪悪感」は日本人には根深いものがありますね。これは戦争中に敵を素早く見つけるには視力が良くないといけない、だから近視は悪である・・・と日本政府が国民を洗脳したという説もあるくらいです。
かつて獣を追って生活していた頃の人類であれば、やはり遠方の良好な視力は生きていく上で必須の条件だったことでしょう。ところが現代社会では、必要な情報のほとんどは、本、テレビ、パソコンなど手元に集中しております。よって近くが見やすい近視の方は、より現代社会に適合した進化した人類の姿と私は考えています。近視=悪ではないのです!
近視を治すために視力回復センターへ行ってみようかと思いますが?
近視は、仮性近視/本当の近視 とに理論的に分けることができます。ただし本当に「仮性近視」というものが存在するのか?ということに関してはまだよく分かっていません。
「仮性近視」は、近くを見続けることによって目の筋肉が疲労した状態と考えられています。当院では仮性近視に対して、点眼薬と目の訓練を組み合わせて治療を行っております。ただし1ヶ月治療を行って効果があったと思われるのは約1割くらいの子供さんです。それ以外の方は治療しても効果が認められず、「本当の近視」であると考えられます。
本当の近視は、単なる筋肉疲労ではなく眼球の形そのものが変化しています。極端に言えば前後方向に伸びたラグビーボールのような眼球になっています。よってこれを元通りにする方法はありません。「視力回復センター」の新聞広告を見かけますが、そもそも近視の治療はあり得ないと考えてください(近視手術は除く)。回復センターにかける費用は眼鏡作成に回しましょう。
子供がTVゲームばかりして目が悪くなったので、止めるように先生から言って下さい!
お母さんのお気持ちは痛いほどわかります(^^;)。ですが医学的に言いますと、TV番組・TVゲーム・読書等で近視が進行するとは証明されていません。近視の発生原因そのものが未だによく解っていないのです。もともと近視になる素因を生まれつき持っておられる方が一定の年齢になると近視が進行してくるように考えられています。たいていは身長がぐんぐん伸びる思春期に近視が進行する方が多いようです。○○を長く見ていたから近視になった・・・ということではなく、何も見ていなくても近視が発生するわけで、生まれたときには近視になると運命づけられているようです。ご質問のお母さんのように「目を使ったから近視が進行した」というのが本当であれば、学校の勉強、家での宿題すべてを禁止しないと話が合わないですよね。
結論としては、いくらゲームをしても、長時間勉強しても近視の進行には関係ないと思われます。ただし学業の成績には大いに関係するはずですから、そこらへんは子供さんとよく話し合って下さい(^^;)。
では以下の項目についてどれが近視の進行に影響するかを皆さんも考えてみてください。
正解は、「すべて影響しない」です。これらはすべて迷信のようなもので医学的根拠はまったくありません。特に「近づいてテレビを見るといけない」と信じておられる方がとても多いようですが、実は「近づいてテレビを見たから近視になった」のではなく、「近視になったので近づかないとテレビが見えない」というのが本当の姿です。このような状態で「もっと後ろからテレビを見なさい」と言っても、まったく効果がなく子供さんが気の毒ですね。早く眼鏡をかけるべきだと思います。
- 暗いところで本を読む
- 寝転がったり、背を丸くして本を読む
- 近づいてテレビを見る
- 眼精疲労を起こすほど長時間目を酷使する
- 食べ物の好き嫌いが激しく、にんじんを食べない
昨年よりも近視が進行しています。このままどんどん悪くなるのですか?
「昨年合わせた眼鏡がもう見えにくくなった」ということで不安になる方も多いようです。最も近視が進行する度合いが大きいのは身体が成長する時期である思春期ですが、大人になってもゆるやかに少しずつ進行します。進行を止めることもできません。ただし、進行したからと言って近視により失明することはありません。私自身も強度近視なので皆さんの悩みはよく理解できますが、正しい知識があれば近視の進行は別に怖くありません。「眼鏡が見えにくくなったら、また合わせたらいいさ・・・」という気持ちで考えるようにしましょう。
「近視がある」と言われても別にどうも思わないけど、「乱視がある」と言われて心配になる方が多いようです。乱視は別に珍しいことではなく、厳密に言えばほぼ全員乱視を持っていると言えるでしょう。乱視の正体は、角膜(くろめ)の立体的な歪みでありほとんどが生まれつきのものです。顔がまったく左右対称な人はいないように、角膜も微妙に歪んでいるわけです。特に強度の乱視でない限り、心配ご無用です。問題はその乱視が視力に大きく影響しているのかどうか?ということです。
ほとんどの乱視は眼鏡で矯正可能ですが、特殊な乱視はコンタクトレンズを使用しないとうまく視力が出ない場合があります。乱視についてご興味のある方はこちらのページをどうぞ。
目を使ってなぜ疲れるのか?といいますと、目は眼球を動かす筋肉・ピントを合わせる筋肉等、細かい筋肉が絶えず働いているわけですので長く使っていると疲れてしまうのですね。実はこれに対して即効性のある薬などありません。スポーツをして身体が疲れた後、皆さんはどうされますか?疲れをとるために病院で薬を貰って飲まれるでしょうか?もし何か飲んだとしても売店で買った「なんとかドリンク」くらいですね。これにしても飲んだあと「効いたような気になる」と言う程度で効き目はあいまいです。
ほとんどの方は、一晩寝たら治るだろうと考えて特別変わったことはされないでしょう。疲れ目もスポーツの疲労と同じように考えて下さい。ぐっすり睡眠をとるというのが最も簡単で効果的な治療法と思います。眼精疲労にはビタミンB12の点眼を処方することもありますが、点眼はあくまでも補助的なもので大事なことは休息のほうです。疲れをとろうと焦って点眼しすぎないように注意しましょう。
この場合に最も疑われるのは「ドライアイ」です。パソコンを使ってる時には、紙に書いた文字を読むときよりもじっと見つめることが多く、自然にまばたきの回数が減っています。またパソコンを使う環境というのはたいていエアコンが良く効いていますので、空気が乾燥していることが多いですね。すると角膜(くろめ)の表面が乾いて傷が付いてしまうことがあります。こうなると目を開けるよりも閉じていたいという状態になります。この症状が出ている方は一度眼科でドライアイがないか診察して貰ったほうがいいでしょう。
またこれを防ぐ方法としては、パソコンのモニタの位置を目よりもできるだけ低い位置に置くのがいいでしょう。伏し目がちに作業しますと、眼球の露出している面積が少なくなって涙の蒸発も少なく抑えることができます。以前は机の上にパソコン本体を置き、さらにその上にモニタを置く・・というスタイルが一般的でしたが、これですとモニタの位置が高くなりすぎて上目使いになり目を大きく見開いてしまいますので良くありません。
仕事をしていると、どうも眼の奥が痛くなってきますが悪い病気でしょうか?
よほどのことがない限り、眼に関する病気で眼の奥が痛くなることはまずありません。中年以降で緑内障発作を起こしたときには痛くなりますが、この場合は痛みだけでなく視力がかなり低下します。眼の奥が痛く感じても視力に変化がない場合のほとんどが「頭痛」の一種と考えられます。「頭が痛くないのに頭痛?」と思われるかも知れませんが、眼の周囲にのみ痛みを感じることは決して珍しいことではありません。眼科検査を受けて問題がなければ特に心配しなくてよいでしょう。ただし、これといった治療法がないことが多いのであまり気にしすぎるのも良くないと思われます。
虫が飛んでいるような黒い影が見えます。これは網膜剥離でしょうか?
ある日急に目の前に虫が飛んでいるように見える症状のことを飛蚊症と言います。初めて経験される方は、とても驚かれ心配されますがほとんどの場合は老化現象であると考えてください。詳しいことは、当院で患者様にお渡ししている説明用紙を読んでみて下さいね。