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私は視力が1.5もあるから遠視なんですね?
いいえ、遠視=視力良い、近視=視力悪い というのは間違いです。遠視/近視はリラックスした状態でどこにピントが合ってるのかで決まります。近く(手元など)にピントが合ってるのが近視です。遠く(テレビ、黒板、景色など)に合うのが正視です。では遠視は??答えはどこにもピントは合ってません。専門的にいうと、正視は無限遠(空の星など)にピントが合ってますが、遠視はさらにそれよりも遠くに合うことになります。これはあり得ないことなので、結局どこにも(遠くにも近くにも)ピントが合ってないと言うことになります。「遠視」は遠くを視るという漢字なので誤解されやすいのですが、本当は、「近くはもちろん遠くも見えにくい」のが遠視と理解してください。
軽い遠視であればピントを調節する機能が自動的に働いて何とか視力を保てますが、強い遠視ですと当然裸眼の視力も悪くなります。さらに遠視の方は近くほど見えにくいので、字を読んだり書いたりする作業は更につらくなります。
これに対して近視の方は、遠くは見えませんが近くにはピントが合ってますので机の上の作業にはもってこいです。よって遠視よりも近視の方がずっと快適で便利ということになります。
以上から視力が良い=正視 と考えられますが、視力が悪い場合は、近視もしくは遠視の可能性があるということになります。
近視の人は目が悪いんですね?
そんなことはありませんよ。「近視に対する罪悪感」は日本人には根深いものがありますね。これは戦争中に敵を素早く見つけるには視力が良くないといけない、だから近視は悪である・・・と日本政府が国民を洗脳したという説もあるくらいです。
かつて獣を追って生活していた頃の人類であれば、やはり遠方の良好な視力は生きていく上で必須の条件だったことでしょう。ところが現代社会では、必要な情報のほとんどは、本、テレビ、パソコンなど手元に集中しております。よって近くが見やすい近視の方は、より現代社会に適合した進化した人類の姿と私は考えています。近視=悪ではないのです!
近視を治すために視力回復センターへ行ってみようかと思いますが?
近視は、仮性近視/本当の近視 とに理論的に分けることができます。ただし本当に「仮性近視」というものが存在するのか?ということに関してはまだよく分かっていません。
「仮性近視」は、近くを見続けることによって目の筋肉が疲労した状態と考えられています。当院では仮性近視に対して、点眼薬と目の訓練を組み合わせて治療を行っております。ただし1ヶ月治療を行って効果があったと思われるのは約1割くらいの子供さんです。それ以外の方は治療しても効果が認められず、「本当の近視」であると考えられます。
本当の近視は、単なる筋肉疲労ではなく眼球の形そのものが変化しています。極端に言えば前後方向に伸びたラグビーボールのような眼球になっています。よってこれを元通りにする方法はありません。「視力回復センター」の新聞広告を見かけますが、そもそも近視の治療はあり得ないと考えてください(近視手術は除く)。回復センターにかける費用は眼鏡作成に回しましょう。
今年の検診で近視と言われました。昨年に仮性近視の治療をしておけば防げたんですね?
そうではありません。仮性近視がどんどん進行すると本当の近視になる・・・と考えておられる方が多いようですが、仮性近視と本当の近視はまったく異なるものです。このふたつの関係を例えて言えば、タケノコが大きくなって竹になるという状況ではなく、最初から竹は竹、松は松と考えていただければいいでしょう。よって仮性近視の治療をしても、本当の近視を防ぐことはできません。
子供がTVゲームばかりして目が悪くなったので、止めるように先生から言って下さい!
お母さんのお気持ちは痛いほどわかります(^^;)。ですが医学的に言いますと、TV番組・TVゲーム・読書等で近視が進行するとは証明されていません。近視の発生原因そのものが未だによく解っていないのです。もともと近視になる素因を生まれつき持っておられる方が一定の年齢になると近視が進行してくるように考えられています。たいていは身長がぐんぐん伸びる思春期に近視が進行する方が多いようです。○○を長く見ていたから近視になった・・・ということではなく、何も見ていなくても近視が発生するわけで、生まれたときには近視になると運命づけられているようです。ご質問のお母さんのように「目を使ったから近視が進行した」というのが本当であれば、学校の勉強、家での宿題すべてを禁止しないと話が合わないですよね。
結論としては、いくらゲームをしても、長時間勉強しても近視の進行には関係ないと思われます。ただし学業の成績には大いに関係するはずですから、そこらへんは子供さんとよく話し合って下さい(^^;)。
生活の上でどんなことをすると近視が進行しますか?
では以下の項目についてどれが近視の進行に影響するかを皆さんも考えてみてください。
- 暗いところで本を読む
- 寝転がったり、背を丸くして本を読む
- 近づいてテレビを見る
- 眼精疲労を起こすほど長時間目を酷使する
- 食べ物の好き嫌いが激しく、にんじんを食べない
正解は、「すべて影響しない」です。これらはすべて迷信のようなもので医学的根拠はまったくありません。特に「近づいてテレビを見るといけない」と信じておられる方がとても多いようですが、実は「近づいてテレビを見たから近視になった」のではなく、「近視になったので近づかないとテレビが見えない」というのが本当の姿です。このような状態で「もっと後ろからテレビを見なさい」と言っても、まったく効果がなく子供さんが気の毒ですね。早く眼鏡をかけるべきだと思います。
昨年よりも近視が進行しています。このままどんどん悪くなるのですか?
「昨年合わせた眼鏡がもう見えにくくなった」ということで不安になる方も多いようです。最も近視が進行する度合いが大きいのは身体が成長する時期である思春期ですが、大人になってもゆるやかに少しずつ進行します。進行を止めることもできません。ただし、進行したからと言って近視により失明することはありません。私自身も強度近視なので皆さんの悩みはよく理解できますが、正しい知識があれば近視の進行は別に怖くありません。「眼鏡が見えにくくなったら、また合わせたらいいさ・・・」という気持ちで考えるようにしましょう。
眼鏡店で「乱視がある」と言われて心配です。
「近視がある」と言われても別にどうも思わないけど、「乱視がある」と言われて心配になる方が多いようです。乱視は別に珍しいことではなく、厳密に言えばほぼ全員乱視を持っていると言えるでしょう。乱視の正体は、角膜(くろめ)の立体的な歪みでありほとんどが生まれつきのものです。顔がまったく左右対称な人はいないように、角膜も微妙に歪んでいるわけです。特に強度の乱視でない限り、心配ご無用です。問題はその乱視が視力に大きく影響しているのかどうか?ということです。
ほとんどの乱視は眼鏡で矯正可能ですが、特殊な乱視はコンタクトレンズを使用しないとうまく視力が出ない場合があります。乱視についてご興味のある方はこちらのページをどうぞ。
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