W杯2014 日本–コートジボアールの寸評 

日本代表のW杯初戦、私は仲良しグループと一緒に品川のホテルで観戦していた。本田のシュートが決まったときはとっても嬉しかったが、いつもとまったく違う日本の戦いぶりにおよそ勝てるような要素が見いだせないでいた。敗因はたくさんありすぎるので、失点した部分に限って私の素人寸評を書いてみたい。

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後半18分 敵の攻撃をなんとかしのいで日本のカウンターの場面。疲れのためかカウンターというよりも遅攻であるが・・・

左サイドハーフである香川がドリブルして上がる。いかにもこれからもう1点入れてくれ!と期待が膨らむ場面である。隣にいる本田は右サイドに首を振って敵味方の配置を確認中。

 

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ところが相手が詰めてくるのを見た香川は、なぜか弱気になったのかすぐ隣の本田にパスを出してしまう。この距離でパスを出したのなら目的はワンツーで抜けて行くことなので、本田からダイレクトでパスを貰うために香川はダッシュで目の前の敵を追い越さないといけない。ところが次の写真を見ても分かるとおり香川は前に走る気配はないので、おそらく「あとはキミに任せたよ・・・」という感じ。

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本田にしてみたら香川が前へ行ってくれたらダイレクトでパスを出せたのに、香川が目の前にいるためにパスを出せずにうろたえている。その僅かな隙をついて敵が近付き本田からボールを奪ってしまった。

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本田はあわてて奪い返そうとするが、

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相手の方が一枚上手で完全に支配されてしまう。

このときの敵味方の配置を見ると、最終ラインはお互いに3人ずつ。守備の基本は相手より1人多くするのが必須なので、最終ラインの3人の真ん中(森重?)が余っているのは特に問題ない。しかしカウンターで長友が上がっていたので、長友サイドの敵が1人フリーになっている。それをカバーするため長友が走って戻ってきているのがわかる。そのため長友がいた場所に大きなスペースが出来てしまった。ここをカバーするのは本来は香川であろうか。この状況ではたまたま遠藤がそこの場所に近いが。

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本田からボールを奪った選手(ドログバ?)と日本の左サイドの選手が完全にどフリーになってしまっている。しかし日本は強くプレスを掛けようという気迫が希薄である(^^;)

 

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そしてついに左サイドにボールが渡ったときにようやくこの選手の存在に気がついたと思われる。こうなったら一刻も早くこの選手に駆け寄って行き、相手選手が自由にプレーできないように邪魔をしないといけない。一番近いのは遠藤と香川であるから「オレが行く!」とか「お前が行け!」とか明確に声を出してプレーをし、いわゆる「お見合い」にならないように気をつけることが大事である。

 

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しかし相手にパスが通ってしまったこ時点でもまだ2人はのんびりとジョギングスピードである。たとえば香川が猛ダッシュでプレスを掛けに行き、本田はカバーするために相手選手に近付くのが良いのでは?

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そして誰もプレスに行かないまま、相手はどフリーのままで狙い澄ましたクロスを蹴ることになる。

それに反応した相手FWのダッシュも素晴らしく、マークしてた森重を追い越しつつヘディング。

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そして同点ゴール!

2点目も同じようにして追いかけてみると、香川のエリアで簡単にボールを持たせ過ぎているのが一つの原因になっているようだ。

2点ともドリブルで守備陣が切り裂かれてズタズタという感じではなく、単にフリーにしてしまった選手に簡単にクロスをあげさせてしまったことが得点に繋がっている。すなわち身体能力の決定的な差ではなく、個々がやる気を出せば解決できる可能性があるわけだ。疲労が原因なら仕方が無いが単に士気や覇気の問題だとすると根が深い。

あとクロスの精度が日本よりはるかに素晴らしいのは、今のところ埋めようもない溝なので問題にはならない(^^;)

初戦を落としたことで、一気に予選突破の可能性が低くなってしまった。負けたことを今さら言ってもしかたがないことなので、あと2試合はどうか気迫の希薄な試合だけは勘弁して欲しい・・・