PDK考その3 ~ギア比と減速感

まくぉさんのご報告によりtipとPDKの回転数のデータが揃ったので、エンジンブレーキの効き具合とギア比についての考察を書いてみた。

表1

 表1は996Tipと997PDKの各ギア比である。Tip5速とPDK7速であるがPDKの7速は省エネ用のオーバードライブ仕様となっている。そのためTip4.5速に相当するのがPDK5.6速となる。2速同士は似たようなギアであるが、PDKはその間に3速が新設されたような設計だ。

グラフ1

エンジンブレーキの減速感というのは、おそらくシフトダウンしたときの回転数の絶対数の差だと思われるので、各ギアにおいて1段シフトダウンしたときに回転数がどれくらい上昇するかをグラフ1に表した。速度はすべて100km/hである。Tipでは下のギアになるほど大きな差になるのがよくわかる。PDKはどのギアでもほとんど同じなのは少々驚きだ。さらに7→6のときには、意外にもTipの5→4より大きな差になっているのでTipよりも減速感が大きいはずだが、実際はまったく逆であるのが不思議なところだ。これはミッションだけでなくエンジンの差なのか??

グラフ2

 グラフ2では、PDK7速で100km/h走行時に、2段飛ばし・3段飛ばしでシフトダウンしたときに7速からどのくらい回転数が上昇するかを表した。なお黄色いゾーンは、Tipで1段シフトダウン(5→4)、赤いゾーンは2段シフトダウン(5→3)したときの回転数差である。
Tipでの2段分の効果を得るためにはPDKでは3段くらい必用ということになる。
数字の上ではそうだが、tipで3速まで落とすとかなりの急減速であるがPDKで4速まで落としてもそれほどの減速感は得られないと思う。

考察
PDKのほうが減速感を得られにくいギア比ではあるが、単にギア比だけではなく他にも減速感を希薄にする要因があると考えられる。それが何かは不明(笑)